
【事例】中小企業のAI導入|SEOと業務内製でEC支援
「中小企業のAI導入って、実際どんなことをして、どんな成果が出るのか」を知りたい方へ向けた事例記事です。本記事では、レザレクが支援した冷凍・冷蔵関連資材のEC事業者のケースを、課題→施策→結果(Before/After)の流れで具体的にご紹介します。AIを活用したSEOコンテンツと、業務ツールのAI内製という2方向から支援した実例です。
- 支援先は冷凍・冷蔵関連資材のEC事業者(中小企業)。守秘のため社名は伏せ、業種表現で記載しています。
- 施策は2つ。①AI活用のSEOコンテンツ(記事199本規模)と、②業務ツールのAI内製(受注処理・仕分けの自動化)。
- 結果、サイト流入の約94%を検索オーガニックが占め、月間約5.5万セッションに。EC売上は3年で2倍以上へ成長しました。
- ただし売上は商材・季節需要など複合的な要因で動くもので、SEOやツールだけに帰属させていません。
事例の概要(業種・課題)
結論として、この事例は「集客」と「業務効率化」の両面をAIで支援した中小企業のケースです。片方だけでなく、フロント(集客)とバック(受注処理)の両方に手を入れた点が特徴になります。
支援先は、冷凍・冷蔵関連資材を扱うEC事業者です。商材の性質上、需要に季節変動があり、広告に頼りすぎると費用対効果が読みにくいという事情がありました。同時に、受注のピーク時には事務作業が一気に集中し、人手の負担が大きくなるという、中小ECにありがちな課題も抱えていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 冷凍・冷蔵関連資材のEC事業者(中小企業) |
| 集客の課題 | 広告に頼らず、季節変動の大きいEC需要に対して検索からの安定した流入を増やしたい。 |
| 業務の課題 | 受注データの変換・出荷日別の仕分けなどを手作業で行い、繁忙期に事務負担が集中していた。 |
| 支援の方向性 | AIを「集客(SEO)」と「業務効率化(ツール内製)」の両輪で活用する。 |
施策1:AI活用のSEOコンテンツで検索流入を育てる
1つ目の施策は、AIを活用したSEOコンテンツマーケティングです。広告のように出稿を止めると流入も止まる集客ではなく、検索から継続的に人が訪れる「資産」を積み上げる方針を取りました。
具体的には、ユーザーが検索しそうな用途別・目的別の解説記事を、AIを使いながら継続的に制作・蓄積しました。現役Webマーケターがキーワード設計と構成を担い、AIで下書きや調査を効率化し、最終的な品質は人がチェックして仕上げるという分担です。記事数は199本規模まで積み上がりました。
ここで大切なのは、AIに記事を丸投げするのではない、という点です。検索意図の見極めや内部リンク設計といった「成果につながる設計」は人が担い、AIは制作スピードと調査を支える役割に徹しました。データドリブンに、どのテーマが流入を生んでいるかを見ながら制作を続けた結果が、後述する検索流入の構造につながっています。
AIは「速く・多く書く」ために使い、検索意図の設計と品質チェックは人が担う。この役割分担が、量だけでなく成果につながるSEOコンテンツの土台になりました。
施策2:業務ツールのAI内製で受注処理を効率化する
2つ目の施策は、業務ツールのAI内製です。受注が増えるほど膨らむ事務作業を、AIで作った専用ツールに任せることで、繁忙期の負担を平準化することを狙いました。
ポイントは、高価なシステムを導入したのではなく、現場の業務に合わせたツールを必要な分だけ内製したことです。いずれもブラウザ上で完結する作りにし、特別な環境構築なしで使えるようにしました。具体的には、次の3つを実装しています。
| 内製ツール | 役割(Before=従来の手作業) |
|---|---|
| 1受注CSVの自動変換 | 受注データのCSVを、配送ソフト用のCSV形式へ自動で変換。従来は手作業で項目を整え直していた部分を自動化。 |
| 2出荷日別の自動仕分け+箱数集計 | 受注を配送希望日から出荷日別に自動で仕分けし、箱数まで集計。早出し・取りこぼしを防ぎやすくなる。 |
| 3住所リストの自動品質チェック | 住所リスト999件を自動でチェックし、品質の確認を効率化。目視に頼っていた確認作業を支援。 |
これらはすべて、受注処理という「効果が見えやすい1業務」に絞って導入しました。全社の業務を一気に変えるのではなく、負担が集中していた箇所から着手したことで、現場に無理なく定着させやすくなっています。
本記事では、作業時間の削減量を具体的な数字としては記載していません。導入前後の正確な計測がそろっていない段階で数値を出すと、誤った印象を与えかねないためです。効果の測定は今後の取り組みとして進めています。
自社の業務だと、AIで何ができそうか相談してみませんか
「うちの受注業務や集客でもAIは使える?」を、現役Webマーケターが無料でお答えします。
課題のヒアリングから、現実的な進め方までご提案します。
結果(数値で見るBefore/After)
結論として、2つの施策を継続した結果、検索を中心とした集客の構造ができあがり、EC売上も中期的に伸びていきました。ここでは確認できている事実ベースの数値を、Before/Afterで整理します。
| 指標 | Before(導入前の状況) | After(施策の継続後) |
|---|---|---|
| 集客チャネル | 広告依存になりやすく、検索流入が不安定 | サイト流入の約94%を検索オーガニックが占める構造に |
| サイトの流入量 | 検索資産が乏しく流入が積み上がっていない | 月間約5.5万セッション |
| SEOコンテンツ | 記事の蓄積がほぼない状態 | 用途別の解説記事を199本規模まで蓄積 |
| 受注処理 | 変換・仕分け・チェックを手作業、繁忙期に集中 | 内製ツールが自動処理、負担を平準化 |
| EC売上 | 基準年度 | 3年で2倍以上(直近年度は過去最高・前年比+28%) |
EC売上の成長は、商材の魅力・季節需要・市場環境など複数の要因が複合的に作用した結果です。SEOコンテンツや業務ツールの内製だけに成果のすべてを帰属させることはできません。同じ施策を行っても、業種・体制・市場の状況によって結果は変わります。本記事は事実ベースの実績を紹介するもので、成果を保証するものではありません。
とはいえ、広告を止めても流入が続く「検索からの集客資産」が育ったことと、受注処理の負担が平準化されたことは、事業の土台を強くする確かな変化だったと考えています。
この事例から学べること
この事例から中小企業のAI導入について学べることは、「集客と業務の両輪で考える」「1業務に絞って始める」「成果は複合要因として正しく見る」の3点です。順に解説します。
学べること①:集客(フロント)と業務(バック)を両輪で見る
集客だけ強化しても、受注処理が追いつかなければ現場は疲弊します。逆に効率化だけでは売上は伸びません。この事例では、流入を増やすSEOと、増えた受注を捌くツール内製を並行して進めたことで、事業全体のバランスが取れました。
学べること②:効果が見えやすい「1業務」から始める
業務ツールの内製は、受注処理という負担の大きい1業務に絞って着手しました。範囲を絞ると効果が見えやすく、現場の納得も得やすくなります。全社一斉ではなく、ボトルネックから小さく始めるのが定着の近道です。
学べること③:成果は「複合要因」として正しく評価する
売上が伸びたとき、それをすべてAIの成果だと言い切るのは正確ではありません。商材や季節需要など、ほかの要因も同時に働いています。何がどこに効いたかを切り分けて見る姿勢こそ、データドリブンに次の打ち手を決める土台になります。
同じ成果を出すには(進め方)
結論として、同じような成果を目指すには「業務の棚卸し→1業務に絞って試す→数値で測る」という順で進めるのが現実的です。いきなり大きな仕組みを目指すのではなく、効果が見える範囲から始めることをおすすめします。
- 業務の棚卸しをする:集客・受注処理・在庫・問い合わせなど、自社の業務を洗い出し、どこに時間と負担が集中しているかを把握します。
- 効果が見える1業務から試す:この事例なら受注処理にあたる部分です。AIで自動化・効率化しやすく、効果を数値で確認しやすい業務を選びます。
- 導入前後を数値で測る:作業時間や流入数など、導入前(Before)の数値を記録しておくと、後から効果を正しく評価できます。
- 型ができてから広げる:うまくいった進め方を、ほかの業務やSEOなどの集客施策へ少しずつ展開していきます。
レザレクは、こうした「設計」と「実装」をセットで伴走する支援を行っています。現役Webマーケター・経営コンサルとして、どの業務にAIを使えば数字が動くかを一緒に見極め、ツールの内製やSEOの実装まで現場で支えます。なお、AIを使った業務効率化の進め方そのものは、中小企業のAI業務効率化・DX実装ガイドでも体系的に解説しています。
よくある質問(FAQ)
できます。むしろ意思決定の速い中小企業は、1業務に絞って小さく試す進め方と相性が良いです。この事例も、受注処理という効果の見えやすい業務から着手しました。大切なのは「全社一斉」ではなく「成果の見える業務から段階的に」進めることです。
大がかりなシステム開発は必須ではありません。この事例のツールは、いずれもブラウザ上で完結する形で、現場の業務に合わせて必要な分だけ内製しました。自社の業務に合った範囲で小さく作り、運用しながら改善していく進め方が現実的です。
必要な記事数は業種や競合状況によって変わるため、一概には言えません。この事例では199本規模まで蓄積していますが、本数そのものより「検索意図に合った記事を、内部リンクで設計しながら継続的に積み上げる」ことが流入の構造をつくります。まずは反応の見える看板テーマから始めるのが現実的です。
いいえ、すべてをAIの効果と言い切ることはできません。EC売上の成長には、商材の魅力・季節需要・市場環境など複数の要因が複合的に作用しています。AIによるSEOやツール内製は、検索からの集客資産づくりと受注処理の負担軽減に貢献した取り組みであり、成果を保証するものではない点はご理解ください。
まとめ:中小企業のAI導入は「両輪」と「1業務」から
今回の中小企業のAI導入事例では、AI活用のSEOコンテンツ(記事199本規模)と業務ツールのAI内製(受注処理の自動化)という2つの施策を組み合わせました。結果として検索流入94%・月約5.5万セッションという集客構造が育ち、EC売上も3年で2倍以上に成長しています(売上は複合要因による点はご留意ください)。
ポイントは、集客と業務を両輪で見て、効果の見える1業務から小さく始めること。レザレクは現役Webマーケター・経営コンサルとして、貴社の業務にAIを実装し成果を出すまで伴走します。まずはお気軽にご相談ください。
AIで成果を出す、現実的な一歩を一緒に
自社の業務でAIに何ができるか、まずは無料でご相談ください。
「どの業務から始めるべきか」を整理したい場合は、AI業務診断もご用意しています。

