Makeで問い合わせ対応を自動化する方法|受付から一次返信まで

Makeで問い合わせ対応を自動化する方法|受付から一次返信まで

「フォームに届いた問い合わせを毎回手作業でさばいていて、対応が追いつかない」——中小企業のWeb担当者の方から、よくいただくご相談です。問い合わせ対応は売上に直結する一方で、受付・返信・振り分け・記録といった定型作業の塊でもあります。ここはノーコード自動化ツール Make が最も力を発揮する領域です。

この記事では、現役Webマーケターとして実務で自動化を組んできた視点から、Makeで問い合わせ対応を自動化する具体的な手順を、受付から一次返信・記録までステップごとに解説します。プログラミングは不要で、いずれもノーコード中心で組み立てられます。

この記事の要点

  • Makeは フォーム・メール・チャット・スプレッドシート・通知ツールをノーコードで連携し、問い合わせの流れを自動で回すツールです。
  • 自動化できる範囲は ①受付 ②一次返信 ③振り分け ④記録 の4つ。全部を一度にではなく、効果の高い箇所から段階的に進めます。
  • 基本の作り方は フォーム → Make → AI(ChatGPT API) → 通知/記録 の流れを組むこと。手順は本文で番号順に解説します。
  • 一次返信にAIを使う場合は、誤回答の防止・有人へのエスカレーション・個人情報の扱いを最初に設計することが欠かせません。
  • 自社で組むのが難しい場合は、Make・AIでの自動化を 代理構築・定着まで伴走する選択肢があります。

Makeとは|問い合わせ対応で何を自動化できるのか

結論から申し上げると、Makeは「複数のWebサービスを線で繋いで、人手の作業を自動で流す」ためのノーコードツールです。フォーム送信をきっかけに、メール送信・スプレッドシートへの記録・チャット通知・AIへの問い合わせといった処理を、画面上でブロックを並べるだけで連携させられます。

Makeでは、ひとつの自動化の流れを「シナリオ」と呼びます。シナリオは トリガー(きっかけ) と、その後に続く アクション(処理) の組み合わせでできています。問い合わせ対応に当てはめると、次のようなイメージです。

  • トリガー:問い合わせフォームが送信された
  • アクション:内容を判定 → AIで返信案を作る → 自動返信メールを送る → スプレッドシートに記録 → 担当者にチャット通知

問い合わせ対応がMakeと相性が良いのは、手順が毎回ほぼ同じ「定型作業」だからです。届くたびに同じ確認・同じ一次返信・同じ転記をしているなら、その流れはそのままシナリオに置き換えられます。なお、Make・Dify・ChatGPTの役割の違いは、親ガイド「中小企業のAI業務効率化・DX実装ガイド」で整理していますので、全体像はそちらをご覧ください。

問い合わせ対応で自動化できる範囲(受付・一次返信・振り分け・記録)

結論として、問い合わせ対応で自動化できるのは 受付・一次返信・振り分け・記録の4つです。最初から全部を狙う必要はなく、効果と着手しやすさの高い箇所から段階的に進めるのが実務での進め方です。

範囲 自動化できること 難易度の目安
①受付 フォーム送信を検知し「受け付けました」の自動返信を即時送信 やさしい
②一次返信 よくある質問にAIが返信案を作成し、テンプレで自動返信 やや高い
③振り分け 内容を分類し、担当部署・担当者へ自動で割り当て・通知 ふつう
④記録 問い合わせ内容をスプレッドシートやCRMへ自動で蓄積 やさしい

まず取り組みやすいのは ①受付の自動返信と④記録です。この2つはAIを使わずにMake単体で組めて、効果がすぐ実感できます。「問い合わせを取りこぼさない・記録が必ず残る」体制ができてから、②一次返信や③振り分けへ広げていくと、無理なく定着します。

現場メモ:私たちが自動化ツールを内製した実例(食品関連のEC事業者・業種を匿名化)でも、最初に効いたのは「受注や問い合わせを取りこぼさず、必ず記録に残す」仕組みでした。受注処理や住所チェック、出荷の仕分けといった定型処理をブラウザ完結のツールに置き換え、手作業を自動処理へ移しています。問い合わせ対応も発想は同じで、取りこぼし防止と記録の自動化から入るのが堅実です。

Makeで問い合わせ自動化を作る手順

ここからは、フォーム → Make → AI → 通知/記録という基本形を、番号順に組み立てます。最初はAIを外したシンプルな構成で動かし、後からAIの一次返信を足すのが安全です。

1自動化したい流れを紙に書き出す

いきなりMakeを触る前に、今の問い合わせ対応の流れを書き出します。「フォームが届く → 内容を見る → 受付メールを返す → 担当に割り振る → 台帳に記録する」のように、人がやっている手順を分解します。この設計図がそのままシナリオの構成図になります。

2トリガー(フォーム送信)を設定する

Makeで新しいシナリオを作り、最初のブロックに「フォーム送信」をトリガーとして設定します。Googleフォーム、WordPressのフォーム(Webhook連携)、各種フォームサービスなどが利用できます。問い合わせが届いた瞬間に流れが起動する状態を、まず作ります。

3受付の自動返信を組む

トリガーの次に「メール送信」ブロックを繋ぎ、送信者あてに受付完了メールを自動で返します。「お問い合わせを受け付けました。担当より◯営業日以内にご連絡します」といった定型文で十分です。ここまでで 取りこぼしゼロの受付自動化が完成します。

4記録(スプレッドシート/CRM)を繋ぐ

続いて「スプレッドシートに行を追加」ブロックを繋ぎ、日時・氏名・メール・問い合わせ内容を1行ずつ自動で記録します。これで問い合わせ台帳が手作業なしで蓄積されます。後から件数や傾向を振り返る土台にもなります。

5振り分けの条件分岐を加える

内容に応じて担当を変えたい場合は、Makeの「ルーター(条件分岐)」を使います。たとえば「見積もり」を含む問い合わせは営業チャットへ、「不具合」を含むものはサポートへ、というようにキーワードで自動振り分けします。担当者へのチャット通知(SlackやChatwork等)もここで繋ぎます。

6テスト実行して動作を確認する

シナリオを保存し、自分でテスト送信して各ブロックが想定どおり動くか確認します。必ず本番運用の前に、複数パターンでテストしてください。問題なければ「ON」にして、以降は自動で回り続けます。

進め方のコツ

手順1〜6を一気に完成させようとせず、「受付返信+記録」までを先に動かすことを最初のゴールにしてください。実務では、この小さく回る状態を作ってから、振り分け・AI返信へ広げるのが定着の近道です。

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AI(ChatGPT API)を組み込む一次返信の作り方

結論として、一次返信の質を上げたいなら、Makeのシナリオに「ChatGPT API」ブロックを差し込むのが王道です。定型の受付メールだけでなく、問い合わせ内容に合わせた返信案をAIが下書きしてくれるようになります。

組み込み方はシンプルで、手順4(記録)と手順3(受付返信)の間に、AIブロックを足すイメージです。

  1. OpenAIのアカウントでAPIキーを取得し、MakeのOpenAIブロックに登録します。
  2. トリガーで受け取った「問い合わせ内容」を、AIブロックへ渡します。
  3. AIに「どう返すか」を指示するプロンプトを設定し、返信案を生成させます。
  4. 生成された返信案を、メール送信ブロックや担当者通知へ繋ぎます。

このとき返信の品質を左右するのが、AIへの指示文(プロンプト)です。役割・トーン・禁止事項・わからない場合の振る舞いを具体的に書くのがポイントです。実務で使えるプロンプトの骨子は次のとおりです。

あなたは「◯◯(会社名)」のカスタマーサポート担当です。
以下の問い合わせに対する一次返信メールの本文案を作成してください。
# 条件
- 丁寧な「です・ます」調。1文は短く、全体で300字以内。
- 確実にわかる範囲のみ回答し、不明な点は断定せず
「担当より改めてご連絡します」と案内する。
- 価格・在庫・個人情報に関わる確定的な約束はしない。
- 回答できない/クレーム性が高いと判断した場合は、
本文の冒頭に【要・有人確認】と明記する。
# 問い合わせ内容
{{フォームの問い合わせ本文}}

このように「わからないときは無理に答えず人へ回す」ルールをプロンプトに組み込むことで、後述する誤回答のリスクを大きく下げられます。AIの返信はあくまで「下書き」と位置づけ、内容に応じて人が確認してから送る運用にすると、安全性と速度を両立できます。

現場メモ:私たちは自社の業務でも、AIには「最終判断」ではなく「下書きの高速化」を任せる設計を基本にしています。AIがゼロから返信案を作り、人は確認と微調整だけ——この役割分担が、品質を落とさずに対応スピードを上げる現実的な落としどころです。

自動化を運用する前の注意点(誤回答・有人対応・個人情報)

結論として、問い合わせ自動化で最も大切なのは 「速さ」より「安全に運用する設計」です。便利さだけで走り出すと、誤った回答や情報の取り扱いでかえって信頼を損ないます。導入の最初に、次の3点を決めておきましょう。

注意点 リスク 対策
誤回答の防止 AIが事実と異なる返信を自信ありげに送る AI返信は「下書き」扱い。重要な回答は人が確認してから送信する
有人エスカレーション クレームや複雑な相談を自動返信で済ませてしまう 条件に当てはまる問い合わせは自動で担当者へ転送する分岐を作る
個人情報の扱い 氏名・連絡先などがAIや外部サービスに渡る 入力データの取り扱い設定を確認し、社内ルールと利用範囲を明文化する

注意:問い合わせには氏名・メールアドレス・電話番号などの個人情報が含まれます。AIや外部の自動化サービスへデータを渡す際は、各サービスのデータ取り扱い方針と自社のプライバシーポリシーを必ず確認してください。何を自動化し、何は人が扱うかの線引きを、導入前に決めておくことが大切です。

特に 有人エスカレーションの設計は省略しないでください。「料金の確定的な回答が必要」「クレームの兆候がある」「AIが判断に迷った」——こうしたケースは、自動返信せずに必ず人へ回す分岐を作ります。自動化は対応すべき相手に、人が集中するための仕組みと捉えると、設計を誤りにくくなります。

自社で難しい場合|Make自動化の代理構築という選択肢

ここまで手順を読んで、「やりたいことはわかったが、自社だけで組んで運用し続けるのは難しい」と感じた方も多いと思います。中小企業では、Makeのシナリオ設計やAPI連携、運用後の調整まで担える人材が社内にいないことがほとんどです。その場合の現実的な選択肢が、外部に代理構築と定着まで任せる方法です。

レザレクでは、単なる助言ではなく Make・API・AIで自律稼働する問い合わせ対応の仕組みを代理構築し、定着まで伴走する支援を行っています。フォーム連携・AI一次返信・振り分け・記録までを設計し、運用後の調整までサポートします。

進め方 向いている会社 留意点
自社で内製 設計・運用できる担当者と時間がある 立ち上げと調整に学習コストがかかる
スポット診断のみ まず自動化の範囲と優先順位を知りたい 構築・運用は自社で進める必要がある
代理構築・伴走 設計から定着まで任せたい 月額の費用が継続的に発生する

費用感の目安として、まず現状を棚卸しするAI業務診断(スポット)¥165,000(税込)、設計から実装・定着まで継続的に伴走するAI導入コンサル顧問は月額¥165,000〜です。「自社に合うか」をまず相談したい方には、無料相談もご用意しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Makeで問い合わせ対応を自動化するには、まず何から始めればいいですか?
まず今の対応の流れを紙に書き出し、「フォーム受付の自動返信」と「スプレッドシートへの自動記録」から始めてください。この2つはAIを使わずMake単体で組めて、効果がすぐ実感できます。取りこぼしと記録の自動化ができてから、一次返信や振り分けへ広げると無理なく定着します。

Q2. プログラミングの知識がなくてもMakeで自動化できますか?
基本的な構成はノーコードで組めます。Makeは画面上でブロックを並べて繋ぐ操作が中心で、フォーム連携・自動返信・記録・通知はコードを書かずに設定できます。ChatGPT APIの組み込みなど一部は初期設定にやや慣れが必要ですが、プログラミングそのものは不要です。

Q3. AIに問い合わせの一次返信を任せても大丈夫ですか?
AIの返信は「下書き」と位置づけるのが安全です。プロンプトに「わからない点は断定せず人へ回す」「価格や個人情報の確定的な約束はしない」といったルールを組み込み、重要な回答は人が確認してから送る運用にしてください。誤回答のリスクを下げつつ、対応スピードを上げられます。

Q4. 問い合わせには個人情報が含まれますが、どう扱えばいいですか?
AIや外部の自動化サービスへデータを渡す前に、各サービスのデータ取り扱い方針と自社のプライバシーポリシーを必ず確認してください。何を自動化し、何は人が扱うかの線引きを導入前に決めておくことが大切です。氏名・連絡先などの取り扱い範囲を明文化したうえで運用するのが安全です。

Q5. 自社で組むのが難しい場合、依頼することはできますか?
できます。レザレクでは、Make・API・AIで問い合わせ対応の仕組みを代理構築し、定着まで伴走する支援を行っています。まず自動化できる範囲と優先順位を知りたい場合はAI業務診断(スポット・¥165,000税込)から、設計から運用まで任せたい場合はAI導入コンサル顧問(月額¥165,000〜)からご相談ください。無料相談もご用意しています。

この記事はクラスタ②「AI業務効率化/DX」の個別解説です。全体像や他のツールの作り方は、以下もあわせてご覧ください。


中小企業のAI業務効率化・DX実装ガイド
業務棚卸し→優先順位→自動化の全体像とツールの使い分け


9AI業務効率化のやり方|中小企業向け完全版
狙うKW:AI 業務効率化 やり方


11Difyで業務自動化エージェントを作る手順
狙うKW:Dify 業務自動化 作り方

まとめ|Makeの問い合わせ自動化は「小さく回して広げる」

Make 問い合わせ 自動化の鍵は、いきなり全部を自動化しようとせず、「受付の自動返信+記録」から小さく回し、振り分け・AI一次返信へ段階的に広げることです。基本形は「フォーム → Make → AI → 通知/記録」。一次返信にAIを使うなら、誤回答の防止・有人エスカレーション・個人情報の扱いを最初に設計しておくことが、安心して運用する条件になります。

とはいえ、設計から運用の調整までを日常業務と並行して自社だけで進めるのは簡単ではありません。「どの問い合わせ業務から自動化すべきか」の判断にお困りでしたら、まずは現状を可視化するところから一緒に始めましょう。

御社の問い合わせ自動化、まずは現状診断から

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※本記事の費用は2026年6月時点の税込価格です。Make・各サービスの仕様や画面は変更される場合があります。自動化の成果は業種・業務内容・運用体制により異なります。

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